今年も 白山砂防女性特派員、やらせてもらってます♪
「白山砂防女性特派員」とは…
私たちの命を守る、白山砂防事業の重要性や必要性を体験・実感して、得られた知識を女性目線で発信していく活動 です。
「砂防」とは…
土石流、地すべり、がけ崩れなどの土砂災害から人々の命や暮らしを守るために行われる事業 のことをいいます。
令和4年度初の屋外活動は、現在稼働している白山砂防工事現場施設の見学♪
国道157号線を白峰へ、今回は、牛首川を遡ります。
目次
①白山砂防科学館
リアルタイムで送られてくる白山情報(ライブカメラ)が見れたり、砂防の歴史がわかったり…展示物も豊富で、予習するのはもってこいの場所♪
粘土化しやすい「頁岩(けつがん)」の変質が、地すべり面をつくってしまう(黒いところ)困りものです。
②市ノ瀬ビジターセンター
市ノ瀬には、かつて関わっていた砂防工事の現場事務所がある。それがこれ
冬場の5ヶ月を除いた7ヶ月、ここに通った。現場作業員は、今は通いだが、かつては永井旅館さんに泊っていたこともあったそうです。白山砂防の最前線基地、往時の苦労話を聴くのもまた愉し
③白峰資材運搬道路
じつはこのとき、「資材運搬道路」なる道路が、どこを通っているのか、まったく知らなかった…。
そこは、よーく知ってる登山道への一本道(と思っていました)。
ここって、いつもチブリに行くとき使う道じゃん⁈
そう、もうなんども歩いている舗装路で一般車両は入れません。1kmほど歩いたところに登山口があり、そこからチブリ尾根や別山を目指すのです。
暫くすると、タイヤ洗浄プールが見えてきました。
ダンプと違って車高が低いため、ボディが傷つくのを警戒して慎重に入水しているようす。こちらまで緊張してきます。
細谷砂防堰堤群
遠くの視界は望むべくもありませんが、明るい樹林の中の一本道、それもバス(高め)目線というのは、悪い気分ではありません♪
資材や燃料タンクなどが運ばれるヘリポートを通過、右岸・左岸と幾度か橋を渡ります。
次々に現れる 細谷砂防堰堤(群)は、全部で10基。1号堰堤が完成したのは、昭和49年、工事は今も続いています。
バスから降りたのは、細谷10号砂防堰堤を通過したところだった。ここからは、4号、5号、砂防堰堤が見える。
注目すべきは、その上に渡された一本の橋?
あれが、別当出合から砂防新道へ向かう吊り橋です。
一同、歓喜に似たざわめき♪ 無理もない(笑)この瞬間、それぞれの中でいろんなことが腑に落ちた感じだ。
その先には、崩壊地の別当谷や甚之助谷があります。
崩壊土砂を細谷砂防堰堤が食い止めて、下流に流れないように整備をしている。また、市ノ瀬も猿壁も細谷の砂防堰堤も、ここから下流の堰堤は副堤を持つことが多いけれど、ここより上(甚之助谷や別当谷)では副堤はつくれない。
なぜなら、谷の勾配が急すぎるから
資材運搬道路(中飯場)
周辺の土塊が動いているため、こんなふうになってしまったのです。内部の石は列ごとに左右交互に積まれ、偏重しないよう配慮されているのがわかります。それでも動くのです。
ここだけなんですよね、ここから向こうは大丈夫なんです。
と、霧でまっ白になった道路の向こう側を見やった。
甚之助谷は、年に10cmほど動いている、というのはもはや常識⁈ が、どこもかしこも動いているわけではないようです。
柳谷導流堤
砂防新道を歩いていると必ず出逢うあの風景のすぐそば(横上)まで来ているのだなーと思うと感動しきり♪
ここからだと、甚之助砂防堰堤群は見えないんですよね
砂防新道から見える風景を思い出てみてほしい。柳谷導流堤は見えてもその上流にある甚之助谷は、左に折れているため堰堤群は見えない。今目の前にある建物の向こう側に行けたなら…
じゃあ、せっかくなのでこの先まで行ってみましょうか
\(^o^)/
建物は、索道基地。そして作業に従事する人たち! こんな山奥で、レインウェアに身を包み、水と石を相手に奮闘している人たちがたくさんいることが驚きでした。おじゃまだったらごめんなさい、という気持ちで
ありがとうございます♪
と、挨拶した。皆さん、軽くうなずいてくれて好意的に見えて…よかった(ホッ)
空に吸い込まれていくワイヤー。
甚之助谷の末端に架かる橋の上から見下ろすと…。川の水は、万才谷との合流地点(柳谷導流堤がチラリ)で少し右に振れて柳谷を流れ下り、さっき見た別当出合の吊り橋の下を更に下って行く…。その先は細谷川、そして市ノ瀬…。繋がった♪ 上流側を見れば…
甚之助谷砂防堰堤!しかし、なにか違和感が…そうだ、片がっている。右岸側が前に出てきている⁈ よく見れば、その上にできた堰堤もまっすぐじゃない⁈。水も右岸側を流れてて、ここでも「動く谷」を実感。
ここまで来て、ようやくこの現場の本来の目的を知りました。今ここでは、地すべり災害を防ぐために 地下水を抜く という作業をしているのです。
④市ノ瀬砂防堰堤
いつもながら、美しい水のヴェール♪ 雨が止むことはないけど、そのおかげで今日は、行く先々で躍動感のある流れに遭遇してる。ラッキーというべきなのか…💦
現場見学を終えて
雨の影響を危惧していましたが、ホント心待ちにしていたので、予定通りに終えることができてよかったです。
市ノ瀬から別当出合に通じる「資材運搬道路」ですが、あの「チブリ・別山」へ向かう道路とイコールだったこと、登山口との分岐に立ち、この先はどこに通じているのだろう…と思いを馳せた日々は、すでに忘却の彼方(笑)
そして一般道路からはなかなか見れない細谷砂防堰堤を、今回は車窓からとはいえ、目にすることができました♪
柳谷導流堤では、河床勾配1/2~1/3が、想像していた以上に急であったこと、増水した不動滝の水の流れが、計算通りに流路に導かれていたこと(まさしく導流落差工)、無人化施工で造られた円形型枠ブロックのひとつひとつを目視できたこと、その仕上がりがとても美しかったこと、などなど、感動は尽きません。
今目の前にある、地すべり・崩壊の危険、それを防ぐために働いてくれている現場の方々の存在も忘れられません。協力くださった全ての皆さんに感謝です。
コメント