猿壁・市ノ瀬・赤岩・河内谷・風嵐♪手取水系【牛首川の砂防堰堤♪】

山と雪のエリア 【牛首川上流域/白山市白峰地区

白山手取川ジオパーク「水の旅案内人 “pochi”」です。
今回は、大好きな「砂防堰堤」をまとめてドカーンとご紹介します♪

春山歩きで心ときめくのは、可憐な花々や木々の芽吹きだけじゃありません。白山に降った雪解け水が川を下るようすも、見ていてじつに気持ちいい♪

その水が、コンクリートでできた「砂防堰堤」を流れ落ちる風景はもー絶品!
人工物なのに自然体、調和するここちよさ…♪

白山を源流とする牛首川に設置された砂防堰堤の数々、ご覧ください♪

その前にまずは、砂防堰堤って?

土石流など上流から流れ出る有害な土砂を受け止め、貯まった土砂を少しずつ流すことにより下流に流れる土砂の量を調節する施設です。土砂が砂防堰堤にたまることで川の勾配が緩やかになり、川底や河岸が削られていくのを防ぐとともに、土石流の破壊力を弱めます。

上流には更なる堰堤が見えますが、便宜上スタートはここから!

目次

① 猿壁砂防堰堤(さるかべさぼうえんてい)

別山・市ノ瀬道登山口のすぐ近くに位置しているので、下山後、必ず近くまで行って鑑賞します♪ 別当出合から市ノ瀬に至る細谷川に造られた砂防堰堤です。
昭和38年11月竣工 本堤:H15mW183m 副堤:H7mW141m 第2副堤:H6mW114m

本堤を越える水の勢いは大きいです。護床にはかなり大きな石が溜まってます。

土砂をちゃんと溜めていることで、砂防堰堤の役割を果たしていることがわかります。

木々の葉が茂ってきて段々見にくくなってきます💦

② 市ノ瀬砂防堰堤

昭和29年完成、改修工事済
老朽化や石積みの損傷が激しかったため、改築工事を施され、堰堤の機能保全と強化が図られました。(堰堤下流側への厚さ1.5mのコンクリート腹付及びアンカー工)

まん中の壁より向こう(右岸)は、今回、改修を施した部分  美しいですね♪ 

副堤から落ちる水の軌跡が右と左で違うのがおもしろい♪

白山登山の入口「六万橋」この橋のおかげで正面からの撮影ができました♪ ゲート閉鎖はこのあと解除されたらしいです。

 

ここからは「赤岩砂防堰堤群」

赤岩砂防堰堤群は3基の砂防堰堤からなり、この区間の延長は1,200mあまりです。この区間の左岸側には、小三谷川三ツ谷川の支流が合流しています。赤岩砂防堰堤上流1.5kmでは、別当谷、甚之助谷、細谷、赤谷、岩屋俣谷、湯ノ谷など、多数の崩壊地を抱える急流荒廃支川の合流点があり、これらの支川合流地点の市ノ瀬地区では、昭和9年の手取川大洪水の時に、大規模な天然ダムが形成されたものと推定されています。赤岩砂防堰堤群改修工事は、既設3堰堤の補強・機能増進を行うにあたり、天然ダム対策としての機能を考慮し、模型実験等の結果も踏まえ土砂調節量を増大させるため堰堤の嵩上げ・スリット化による改修を行うものです。(白山砂防通信 2011年8月号より)

③ 赤岩砂防堰堤

昭和33年完成、改修工事済

副堤を補強? 右岸は2段になってる

切り欠き?右岸は段差あり

堰堤の横は「白山眺望スポット」でした。白山は雲のなかだけど…

◆(牛首川の支流/三ッ谷川に置かれた堰堤)

牛首川の支流、三ッ谷川に設置された堰堤なのでノーカウントですが、市ノ瀬に向かう途中のヘアピンカーブ(橋)で視界に入ります。

落ち着いた佇まいが好きです。

橋から下流を見るともう2段の堰堤ができてました。

この橋を含むカーブはいつも緊張します💦

④ 赤岩第2号砂防堰堤

平成3年完成、平成28年改修工事済、堤高14.5m 堤長223.5mというデカさ!

スリット型のじつに美しい堤体!

でも半分はほぼ陸地と壁ですから

どんなに凄い土石流も絶対止めてみせる!的な迫力を静々と感じるのでした。

⑤ 赤岩下流砂防堰堤

昭和59年完成、改修工事済

手前の木々でほぼ見えません

市ノ瀬発電所の近く

⑥ (・・・・・)

建屋があり、かなり古そうな堰堤です。

コンクリート施工ではなさそうな…

魚の遡行はしやすそう

 

ここからは「河内谷砂防堰堤」

河内谷砂防堰堤改築工事は、手取川水系牛首川中流の宮谷川との合流点直下にある既設河内谷砂防堰堤の補強・補修工事を行うものです。手取川水系牛首川流域の既設砂防堰堤においては、老朽化や損傷を受けている施設が複数あります。昭和18年に完成した河内谷砂防堰堤もその1つで、現在の計画流量に対して水通し断面が不足し、またハイダム(高さ15m以上)にもかかわらず堰堤の基礎が岩着していないなど安定性も満足していません。このため、牛首川中流域における基幹的な堰堤である当該堰堤の安定性を確保するとともに機能増進のための改築工事を行い、下流域への安全度の向上を図ります。(白山砂防通信 2011年10月号より)

⑦ 河内谷砂防堰堤(こうちだにさぼうえんてい)

昭和18年完成、改修工事済

全ての堰堤の中でいちばん美しいと思ってるのがこの堰堤!ずっと見ていたい白山のある風景♪

鉄橋が美しすぎますー🎵

牛首川の支流「宮谷川」の堰堤がみえます。昭和9年、百万貫の岩が流出した川で、下流へ3kmも流されました。

⑧ 河内谷下流砂防堰堤

ここは魚道がつくられている堰堤

この高さを遡るのは無理でしょう

水が溢れている奥のほうから出入りできるのかな

なるほど、けっこう苦心して造られたものに見えます。

魚道の役割:魚道とは、水生生物が上下流方向へ移動するのに障害となるダム、砂防堰堤などの河川横断施設に設置される魚の通り道を確保する構造物です。(案内板より)

⑨ 風嵐上流砂防堰堤(かざらしじょうりゅうさぼうえんてい)

美しい佇まいです♪

⑩ 風嵐砂防堰堤

かなり年代物って感じですね

この取水堰の行方は?

まとめ

同じように見える堰堤も、周囲の環境(位置)によって、それぞれが担う役割が違ったり、それに伴って形状(容姿)が変わったりすることもわかりました。

知れば知るほど頼もしい♪ 
美と強靭さを兼ね備えた存在として、これからも私たちを守り続けてくれることを願います。

堰堤巡り、これからも続きます!

 

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