今回は、白山市白峰にある「鳴谷山」の初夏(6月初め)の風景をご紹介します。
鎧壁や白山をかなり間近でみれることで有名ですね🎵
標高1,596m。鳴谷山は、すぐ近くから白山が眺められることで人気があります。6月はブナの葉も青々としてきて、天然木サンカン杉とのコラボも見ていて楽しい♪ミズバショウやリュウキンカなど春の花々も気持ちがいいですが、ジオ的にはルート途中にある「鎧壁」の露頭が圧巻です。
ブナとミズナラの林で癒されよう♪
鳴谷山は「百合谷(びゃっこだん)林道」の終点にあります。途中までは大嵐山へ向かうのと同じ道を通ります。しばらくして分岐の標識が現れると、右に入り、でこぼこ荒れた道(車の腹をこすらないようご注意)を2.5kmほど走ると駐車場に着きます。ここは、トイレはありませんが車が10台ほど停めれてよく整地されています。
登山道入り口
往復10km弱の道のり
嵐谷天然杉希少個体群保護林
透き通るようなミズナラとブナの樹林が沢沿いに広がっています。しばらくは、フカフカの土の感触を楽しみながら歩けるのが嬉しい♪巨岩から芽吹いた若い草木がまぶしくて目を細めながら歩いてしまいます。登山道を含めてやたらと目につく水の流れ。雪解け水のせいだろうか、晴れていても雨上がりのようなウェットさがつきまとう。
倒木!積雪期なら軽く通り過ぎるところですが、雪が解けたら難所に早変わり!これだから自然はおもしろい!越えていくのに少しばかり迂回をしました。先が見えない状態は、私一人だったら立ち往生していたでしょう。鳴谷山に詳しい仲間のおかげでホッとしました。40分ほどかけて進んださきで待っていてくれたのがこれ!
圧巻の鳴谷名物「鎧壁」!
誰が付けたか、なぜに「鎧」なのか、定かではないけれど、この圧倒的な迫力を目の当たりにできることが嬉しい♪そしてこの大壁は、まじかで見るより離れてみるほうがより巨大さが際立つ!…ことを、仲間が撮ってくれた写真を見て知る!(有りがたく使わせていただく)…でかい!私は、アリのようです(笑)この大壁は、1億3,000万年前にできたとされる「手取層群」という地層の露頭。砂岩やれき岩の地層がむき出しになっているのを観察することができます。
私の位置から撮るとこんな感じ、巨大すぎて収まりきらない💦
上部のほう、わかりやすい礫岩の層。
崩れ落ちたときに割れたのでしょうか…河原であれば丸いままの石が真っ二つになっています。風化の影響を受ける前の純な姿ですよね、こんな石があちこちにゴロゴロ転がっていました。
この標識は県内の登山会の方がつけてくれたもの。こういう心遣いが嬉しいですね♪この対岸の御山も動画ならなんとか撮れました♪
【鎧壁】@鳴谷山
手取層群の露頭が圧巻❣️#白山手取川ジオパーク pic.twitter.com/L5Kv28aK2H— pochi (@GeoHakusan) June 1, 2021
鎧壁を過ぎるとリュウキンカがお出迎え
但し、道はヌカルミ
だからこそ咲けるミズバショウ(苦笑)いつも思うけど、ミズバショウ目あてに山に入るならシューズが汚れることは覚悟しないといけませんね。長靴が一番ですけど♪
コシアブラ発見!ピークは過ぎたと思ってたらまだ逢えました!嬉しいー♪
笹藪がすごすぎて道が判別しにくくなっていますが、ここから「砂御前山」へ行けます。行ったことはありませんが、藪こぎは必須!と聞きます。このあとはいよいよ…大御所登場!
サンカン杉に逢って生命の凄みを感じよう♪
【サンカン杉】
ここから天然スギが続々登場!盛り上がったりうねったりしている根っこを見ていると、これは植物ではなくて動物の擬態ではないかと思われてきます。とてつもない生命力を感じるこの杉は「サンカンスギ」というそうです。サンカン杉については詳しい情報に乏しいのですが、日本海側に生育する「ウラスギ」と云われる杉のようです。
針葉や枝の形質から、多雪地帯の日本海側に分布するものをウラスギ、雪の少ない太平洋側に分布するものをオモテスギとして分けています。
ウラスギの形状的特徴は
確かに、そう云われるとこのダイナミックな根の張り方にも納得がいくというもの!そしてこれは、雪の重みに耐え、雪に忍従を強いられる環境があったからこその進化だったのでしょうね
樹齢数百年という古木の余りの迫力に見上げると同時に頭を下げたくなるのは私だけでしょうか。杉は天に向かって真っすぐに伸びるもの、という固定観念をみごとに打ち砕いてくれる個性的な面々!
里山の登山道ってスタート時点は杉(人工)林一色で、急登を登って行く間にいつの間にかブナ林に変わってるってのがふつうだったりする。ブナとスギの共存というより自然林同士仲良くやって行こうよ、的な大らかなさを感じて気分がいい私。小枝のガッツポーズがユニーク♪
とは、樹木の切り株や根元から生えてくる若芽のこと。まだ薄い葉っぱに光が透ける感じ、幹は細くて弱弱しいけどしっかりと元の木に根付いている逞しさ。森は生きてるなーとほっこりします♪
が、酔いしれてるのも束の間、そのあとはお決まりの藪漕ぎが待っていた!!でも私は知っています。ここを越えれば、極上のご褒美が待っていることを…しかし、尾根近くを歩いているはずなのに左右の眺望はまったくナシ!どんだけ旺盛なんやろか、この笹! ひたすらここは耐えるのみ…
ズブズブの湿地帯は抜けたようですが、代わりに円礫を含んだ地層が現われました。これはこれで滑りやすかったりする。ちょっと注意です。
マイズルソウ、エンレイソウ…花々に癒されつつ、もうひとがんばり
ゴロゴロ散乱する石に乗り上げないよう注意を払いながら
明らかに開けてきた視界に期待を込めて、あと少し、あと少し、と踏み込みつづけた先に…ついに見えた⁈
白山がまさにすぐそこに!
きたー!白山!
稜線上も石だらけ、堆積岩の山であることを露骨にみせてくれてる💦
これが皆が恋焦がれる白山の眺望♪ 丸っこい頂きは大汝峰、その右奥に御膳峰、左に七倉山、四塚山の稜線が見えます。標識は可動式、記念撮影は白山を背に、手にもってポージング、が定番!雪も残り少なくなったゼブラ柄の白山をこんな間近で見れてホント感動ものです!では、お約束の動画をひとつ!
鳴谷山山頂から最高の白山遥拝💕 右に別山、赤兎山、大長山、経ヶ岳、左に笈ヶ岳、大笠山🎵#白山手取川ジオパーク pic.twitter.com/Y2bYLLvCn8
— pochi (@GeoHakusan) June 1, 2021
まんなかに大汝峰、御前峰、から右に目を移していくと、別山、赤兎山、大長山、経ヶ岳、左には、笈ヶ岳、大笠山が見えます。なんとも贅沢な眺めです♪
そして山頂ですが、正確にいうと、ここは展望台であって三角点がある場所ではありません。そこへはたいした距離もなく行けるのですが、先輩曰く、二度と山になんか来たくない!と思わせるほどの激藪だということであっさり断念。いいんです。前回(二年前)行ってるので…。そのときは天候が悪くて白山はガスガスの雲の中。そんなときに撮った証拠写真(笑)
それを思えば、今回の天空パノラマビュー!居心地よすぎて一時間半も留まってしまいました。
「三等三角点」
お昼近くになり、展望台にも、続々と人が上がってきたので、いつものように定番のカップ麺をすすり、下山の途につきました。鳴谷山、ちょっとガンバったらちゃんとご褒美がもらえる高嶺の山♪おすすめは5月~6月、ぜひ訪れてみてください♪
おまけの「コイチョウラン」
ラストショット! 撮影がへたくそでスイマセン! めったのお目にかかれないお花だということでアップ! 来年もきっと逢いに行きます♪
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