巨木と巨石と紅葉が織りなす“ジブリな森♪” 白山禅定道を歩く♪

山と雪のエリア 【白山禅定道/六万山・指尾山・剃刀窟・慶松平
白山手取川ジオ―パーク「水の旅案内人 “pochi”」です。

秋色に染まった「白山禅定道」を歩いてきました!

昔は、越前禅定道だったところ(の一部)ですね

越前禅定道は、泰澄大師によって開かれた「越前・加賀・美濃」から白山山頂に至る3つの禅定道のうちのひとつ。平泉寺白山神社を起点に30kmもの道のりがあった。現在、通行可能な区間は、平泉寺から伏拝までの 約7kmと市ノ瀬から白山山頂までの 約10km。

今回歩いた 白山禅定道は、市ノ瀬から白山山頂に至るルートの前半、片道約5kmの登山道です。終点は、別当出合から始まる「観光新道」が、稜線に達したところ➡「別当坂分岐」まで。

この道、旧越前禅定道の一画をなす重要な登山道なので、前々から興味があったのですがかなり “厳しい“ 道だと聞かされていて、自分にGO!を出せないでいました。

今回は、SNSに上がっていた投稿にひっぱられ、山行を決意!いったいどんな風景が広がっているんでしょう、、愉しみです🎵

「市ノ瀬」➡「六万山」

朝7時、市ノ瀬駐車場をスタート、気温は10℃を下回ってます。肌寒いです。名物の吊り橋を渡れば近道なんですけど、あえて遠回りして・・

少し上流にある「六万橋」を渡って行きます。見上げると、こんもりまぁるい形の「六万山(ろくまんやま)が見えます♪ 好きなんです、この形💓

橋の上から上流を見ると、改修工事中の市ノ瀬砂防堰堤が見えました♪

10分ちょっと歩くと林道沿いに標識が見えてきました。ここが登山口です♪

杉の樹林帯を抜けると巨石と巨木がお出迎え⁈ 少し行くと開けた空間があって歩きにくいどころか丁寧に草が刈られていることに驚きました。

石を踏みしめるたび、何だかありがたーい気分が湧いてきます。20分後、林道にでました。

左に行く道は「釈迦新道」「白山釈迦岳」に行けますが、湯の谷橋付近で起きた土砂崩れのため、現在は全面通行止だそうです。

道路の向こう側に道がつづいています。

この上り、梯子ないけど「梯子坂」というらしいです。急坂ではあるけど、道がしっかりしていて、ホント歩きやすいです。

いつしか人工林は姿を消し、ブナやミズナラがそれぞれの色に染まっていました♪稜線にでます。

幹回りハンパない⁈ 天然桧の巨木が目の前に!

シマイ馬場?

見上げる♪ 触る♪ 愉しい♪

たまらなく幸せ♪

「六万山」(1,260m)山頂

まだ周囲の見通しは悪いですが、わくわくします♪

「六万山」➡「指尾山」

巨石が次々と現れます。写真で見たときは、暗くて硬い印象しかなかったのに、こうして彩をまとうと俄然、華やかですね―♪

巨石と巨石のあいだには、クマの寝床になりそうなスキマが多い!今年は餌になる山の幸が豊富らしく目撃情報は少ないです。これも、自分に「GO!」を出せた理由の一つ(苦笑)

巨石の迷路を抜けたら、さらに鮮やかな景色が待っていました♪

倒木のかけらが突き刺さってる「謎」

彩りロード♪まるで “ジブリの森🎵”

仲良しですねー(笑)

倒木もここまでくると “芸術” !

「指尾山(さしおやま)(1,417m)

六万山といい、指尾山といい、標柱の劣化が見るも無残ですが、なんとか形を残しています。これも全て豪雪の影響なのでしょうね。

ここは、かつて伏拝(遙拝すること)だっただけあって、大汝峰と御前峰がチラリ(ズ―ムです💦)
しばらく眺望を愉しんだあとは、少し下っては上がりの稜線歩き

「指尾山」➡「剃刀岩屋」

すでに朽ちた巨樹に寄生?して、しっかりと自分を育ててる姿は感動モノです。
「生」のリレーを見ているようです。

視界が開けてきました♪

どんどん出てくる、この森の “主” のような巨木たち!奇々怪々なものも・・

しめ縄が渡された巨大な石窟! ここは「剃刀窟(かみそりいわや)ですね⁈
ここは、泰澄大師が剃髪した場所だと伝えられています。

碧色した石が見えます。緑色凝灰岩でしょうか。大きな石には〈妙慶・妙清・善立〉・・といった文字が刻まれています。修験者(僧)の名前でしょうか、木像や石仏もあります。

巨石には神さまが宿ると云います。こうした窟をつくり修行の場とする。または、祈りの場と為す。ここは神域なのだなと感じました。

「剃刀岩屋」➡「慶松平」

剃刀窟を過ぎると、別山・御舎利が見えてきました!うっすら「雪」が見えますね!

登山道は、木道あり、階段(梯子?)ありで、まるでアスレチックパークのよう!
飽きません(笑)ホントに歩きやすく工夫されています。

なかなかの高度感ですよねー💦 あの吊り橋は見覚えがあります!別当出合から砂防新道へ渡るときの吊り橋です!手前に見えるヘアピンカーブは、工事専用道路ですね。
白山の懐に入ってきたーって感じがします♪

開けました。尾根歩きは終了でしょうか。立ち枯れた木々が目につきます。

手を振って歓迎してくれてるような・・♪

ダンスを踊っているような・・樹々たち(イナバウワー♪)首がバカになるくらい見上げてました。どれくらい時間が経ったのか・・ここでの滞在時間がいちばん長かったです。

山腹の紅葉はあと少しで終わりそう・・ダケカンバの白い触手がいい感じです♪

「慶松平(けいまつだいら)に来ていました。笹の原っぱが濃密です。

樹林は、ブナ・ダケカンバ・オオシラビソなどが立ち並ぶ平坦地(700m×200m)そして湿地帯。
名の由来は、
福井の豪商「慶松屋五衛門」さんが、ここに「室」を建てたことからついたようです。

「慶松平」➡「別当坂分岐」


足元をみると、なんと、霜柱? えっ! スゴッ! それもここだけ⁈
ホントになぜかこの山道の50cm四方の土だけがニョキっと持ち上がってました。

水っぽくなくてサラサラで、乾いた氷といったところ・・こんなにハッキリと立ち上ったのを見たのは初めてで、感動しました♪

左(というか北)に「白山釈迦岳」をみて、登山道を進むと、見覚えある景色が近づいてきました♪

「別当谷」

砂防堰堤群♪

着きました! 「別当坂分岐(1,680m)」です!

今来た道、楽しかったー♪ ここから正面に見える福井方面の山々にむかって越前禅定道は伸びています。あんなに遥か彼方から歩くんですね、昔の人の逞しさ、信仰の深さに感じ入ります。

反対側、ここから先は観光新道」になります。禅定道の終点は「御前峰」。まだ5kmもあります。それも延々登り坂。昔の人、強い!
ホントは、もう少し先にある「仙人窟」まで行きたかったのですが、ゆったりし過ぎて予定時間をオーバーしていました。
もとより「白山禅定道」が目的だったので、ここから下山します。

「別当坂分岐」➡「別当出合」(下山)

いいですねー別山♪ 白山が見えないのでこっちばかり見てしまいます。
今日はずっと一緒でしたね♪ 雪形まで見れて最高―――!

そういえば、観光新道を下るのは6年ぶりです。白山登山2回目のとき、一人で来て、上りは砂防新道、下りは興味本位で観光新道を使いました。

お尻は打つわ、コケまくるわ、足の爪まで血豆だらけになり、それ以来、観光新道を下りに使うことはなかった・・。なので、少々緊張気味です。

別当出合まで一時間半、今日は楽しめるかな♪
眺望は最高♪
少しずつ高度を下げていきます♪
白山の見え方も変わってきます♪
飛行機雲も飛び入り♪
今はこの辺りが紅葉の盛りみたい♪

「別当出合」到着

登山口付近には、軽装・軽シューズの方たちが10人ほどいて、散策したり、お弁当を食べたりしていました。ガッツリ登山は、どうやら私ひとり?(登山道で会ったのは一人だけ)

ご飯を済ませたらもうひと頑張りです!シャトルバスはありません。車も市ノ瀬です。ということは・・

「別当出合」➡「市ノ瀬」(下り)

一時間ほど歩きます💦 でも

お――!
思ったとおりこの道路沿いも美し―!

6kmのロードも苦になりません♪

山全体が白っぽくなっていくのもいいですね♪

バスから見て気になってました、供養塔?

かなり下りてきました。ここは、白山釈迦新道へのゲートです。(一般車通行不可ですが)
この前の道が県道33号で・・

ハラハラドキドキのヘアピンカーブ💦

市ノ瀬駐車場まで来て気づきました。

昭和9年に起こった「手取川大水害」の慰霊碑がありました。市ノ瀬集落の人々が多く亡くなられた未曽有の災害です。

別当出合から歩かなければ、ここにあることにも気づきませんでした。
遠回りもするものですね♪

初めての「白山禅定道」歩き。なかなか足応えのあるコースでした。今回は紅葉に助けられた感があります。登山道は、稜線にでるまで急坂がつづきますし、出てからも不安定な石と樹の根に翻弄されます(苦笑)。コンディションを整えて、急がず、マイペースで歩いてくださいね♪

白山に感謝です。また来年きまーす(笑)

地図・アクセスなど

白山登山のスタートは、ここ「市ノ瀬」から。ビジターセンターでは、白山国立公園に関する情報や、登山に必要な知識等を提供しています。

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