森と湖に親しむ旬間というイベントに乗じて
手取川ダムと発電所を見学してきました♪
森と湖に親しむ旬間
「森と湖に親しむ旬間」 をご存じでしょうか?
ダムと発電所の見学会が開かれるというので、やってきました!
かねてから一度は訪ねてみたいと思っていた「聖地」を今回は一気に見聞できる!まさに好機到来!
好機…は、いいけど、定員があるのね💦
午前と午後でそれぞれ30名、で?事前予約は?…できないか
当日受付のみ、先着順ということなので、受付開始30分前(9時)を目安に現地に向かう。
心配なのは暑さと、一車線しかないR157の渋滞?
でもまぁ、そこは余裕もって出てきたので、特に問題もなく
受付開始までまだ30分あったけど、すでに立ち並ぶ人の姿が…
日本全国のダムに足を運んでいる彼女の傍らには、県外から来たという “ダムマニア” が⁈
場内の片隅には、昨日開催されてたイベント「流木無料配布」の残骸(失礼!)が…。
残りモノといってもユニークな形のものばかり!自分だけの御宝発見ができるかもしれません♪
手取川ダム見学
10時、ゲートが開き、先導する手取川ダム管理支所の車をマイカーで後追いして管内に入りました。
参加者は30名近くになっていたし、てっきりバス使用だと思ってたのが、外れました(笑)
手取川ダムの堤体長は、420m。幅10mほどの舗装路をゆっくり走っていると、古代遺跡のように曰くありげな石たちが見えてきました。鎖で繋がれた境界の石たち、ロックフィルだなーを実感♪
車を止めるわけにもいかず、見送ったけど、何かを語りかけているような…風情でした♪
<手取川ダム管理支所>
ゲートの操作を行ったり、ダム湖を巡視したり、文字通り、ダム湖の維持管理をしているところ
建物前の駐車スペースに順序よく車を止め、玄関に入るとそこでは…
湖底に見えるのは、工事中に造られた道路の跡かなー。なんだか見ているだけで愉しくなってきた♪
ダムに掛かる圧力を小さくしてくれているのは、上流下流に盛り立ててあるこの緩勾配。
ロックフィルならではの原理!凄い♪
ここに、二頭身のゆるキャラ “ダムズメンⅤ” が登場!
発電 イエロー
これを「洪水吐(こうずいばき)」と云います。
ゲートの大きさは、一門で幅15m、高さ14m、重さは143トンもあります。
手取川ダムは、(標高)465mの高さまで水を貯めることができて、そこを越えて水が入ってきたときに、このゲートを開けて洪水調節をします。左側が第一洪水吐、右側が第二洪水吐です。
ダム中段に見える変色したラインが2ヶ月前まで水があった位置。今は、台風が近づくシーズンなので、意図的に水位を下げています。
一年を3つの時期に分けて洪水調節容量、利水容量の割合が決められています。
第一期洪水期(6/15~10/15)、第二期洪水期(3/1~6/14)、それ以外は 非洪水期。
ダムができた昭和55年以降、放流があったのは、11回だけです。
びっくり⁈ 当初の計画通りにダムが機能している証拠、といえるのではないでしょうか。
でも…そうは思いつつ…
その 瞬間をいつか見てみたい💓
「維持放流」といいます♪
ダム全体を覆う石は、恐竜が生きていたころの石です。
オレンジ色のラインは「網場(あば)」というものです。
貯水池のなかに見えるのが「取水塔」です。ダム湖の水を取り込んで約1.5km下流にある「手取川第一発電所」に送っています。
手取川第一発電所から第二・第三発電所を経て、鶴来にある浄水場へ至り、そこできれいにして私たちの飲み水になります。
ダムは、人の手で造られたものですが、こうしていると初めからここにあった自然そのもののように感じます。
そんなパワースポットのてっぺんで、稀少な風景に酔いしれることができた幸せな時間でした🎵
157号線にでて金沢方面に向かってトンネルを2つ過ぎたあたり、右側に見えてきた林道を下り始めました。
2022年6月のもの☝
維持放流をまじかで見れないかと期待しつつ…でも常時閉鎖(苦笑)
それが今日はオープン状態!
ダムを真下から見れる⁈🎵
途中にある副ダムの横を通り過ぎ…♪
視界を曇らせるミストが辺りを包み始めたと思ったら…
突然現れたクレストゲート!ド迫力です!
じっくり見たい衝動を抑えて突き当りを右に折れ、駐車スペースに滑り込みました。
感激してるのは私だけじゃない、皆さん、写真撮る手がとまらない(笑)
これから、ダムの中にある「監査廊」を歩きます♪
今この辺りの気温は、28℃ほどですが、監査廊の中は10℃前後です。
なぜにこの温度帯なのかといえば、監査廊と同レベルのダム湖の水温が低いため、その影響を受けているんだそうです。どれどれ♪ 電気代ゼロ円の天然クーラーの効きようないかに⁈ 潜入開始!
やっぱ、涼しー♪
ドーム天井と一体となったコンクリートの壁が続きます。前に人がいるので前方のことはよくわかりませんが、かなりの距離があるみたい。水平に見えるけど、やや登ってる感じ?
床はウェットで乾いたところはひとつもなく、ときどき天井から水滴が落ちてきます。
片側に側溝、壁は、ところどころ石灰のようなものが沁みだしていて、冷気と好奇心でぞくぞくします♪
スピーカーを通して所長さんの声が響きます。
えー今現在のここの気温は、11℃です。
廊下に置かれた温湿度計。気温は11℃、湿度は…なんと、100%⁈ どうりでこの水滴💦
サウナが苦手な私、11℃でよかったー♪ けど、だんだん寒くなってきた…(苦笑)
そんな環境だからこそできることがあります♪
ここで、地元の蔵元が、日本酒の熟成実験をしています♪
夏涼しく冬温かい監査廊の中は、一年中温度がほぼ一定なので酒造りに向いてるんだそうです。
電気代も掛からないから、SDGs にも通じてる♪ これ、いいですねー♪
地震計があります。
所長さんに聞いてみた。
私たちが歩いているのは、ダム天端の真下ですか?
そうです。遮水壁の中です。
水を通さないロックフィルのコア部分、その中に監査廊はつくられていて、今私たちはそこを歩いている。
どれくらいの距離なのか、聞きそびれてしまった💦(わかったらお知らせします)
閉鎖空間では、声がよく響く。後方でダムマニアと思しき若者たちの会話が聞こえる。他のダムと比べてきれいとか、プレキャストがどーとか、さすがマニア、愉しい人たち🎵
きれいだなー💓
心の声を察知されたか、堤体を眺めていたら、隣にいた所長さんが話し始めた。
この石の積み方ですけど…
我々専門的には “女積み” っていうんです。
ほー
もうひとつ、荒々しく積んであるのを “男積み” っていうんです。
へー
御母衣ダムとか九頭竜ダムとかは “男積み” なんです。
手取川ダムは “女積み” とても丁寧に積まれています。
なるほど、だからこんなに美しいんですね♪
それと、これはロックフィルでは珍しいことなんですが、半径(R)700mのアーチ型なんです。
ロックフィルでアーチをつくるメリットはない、と知りつつ施されたディテール。
私が堤体を眺めるたび、目を細めてしまうのは、設計・施工者の挑戦とこだわりが投影されてるからなのかもしれません。
<維持放流と洪水吐>
それがこれ!
ダムができたあと、もともとあったこの川は、発電バイパス区間(2.2km)のため、水がほとんど流れなくなりました。そのため、藻類発生による悪臭や、魚が住めないなど、河川環境が悪化していったそうです。
半濡れになりましたが、体感、メンタルとも気持ちよすぎて足が動いてくれません(笑)
またもや招集がかかり、再びの移動、向かうは、石川県最大の発電量を誇るここ!
手取川第一発電所見学
手取川ダムが、石川県最大の水がめなら、そこと直結する発電所が、雑魚なわけがない!
何がどんなふうに機能してるのか、知りたくなるのが、構造物マニアたち(私も端くれ)♪
この堅く閉じた門を勝手に「拒絶」と見なしていた少し前までのわたし(苦笑)
監査廊で話してくれた 所長さん、メチャメチャ、フレンドリーで益々楽しみになっていました♪
「J-POWER(ジェイパワー)」という言葉の響きがカッコいー🎵
そういえば、わたしたち、ふだん「電源開発」という名に接することがほぼない…。
発電所だから電気を作っているところ、は、わかる。じゃ北陸電力や東京電力と何が違うの?
いただいたパンプレットにはこう書かれていました。
なるほど「卸し」だから、私たち一般ユーザーには馴染みがないのか、了解!
エントランスには、TVで見たことのあるアニメーションポスターとリアルな発電機模型があり
そこが…
この広い空間は、12年に一度行われる、発電機のオーバーホールをするために必要だということです。
規模は石川県最大、ちょっとした火力発電所一台分の能力を持っています。
現在は、県内電力の1/4ほどを賄っているそうで、因みに号数は、川の上流側に位置するものから順につけられる習わしだそうです。
地図・アクセスなど
名称 | 手取川第一発電所 |
住所 | 〒920-2336 石川県白山市東二口4 |
駐車場 | 有り |
アクセス | 白山ICから国道157号線を南へ70分 |
関連リンク | 手取川ダム概要 |
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