目次
◆「水の旅」今回のテーマは「鶴来」
~令和元年度のテーマ~ は
「白山手取川ジオパークのストーリー」
今回 解剖するのは「鶴来」地区
現地見学会のまえに 午前中の座学を復習します♪
「白山編」で 砂防堰堤熱を沸騰させてくれた
金沢大学の 平松 良浩 教授が再登場♪
スライド上の 見慣れないレア用語にさっそく釘付け!
◆ 富樫断層・撓曲崖・三角末端面~地震関連ワード ◆
富樫断層
撓曲(とうきょく)崖
三角末端面
河岸段丘
扇状地(扇頂部の隆起)
ん?「撓曲」って何だ?
「撓」という字は
「撓む」と書いて「たわむ」と呼ぶらしい
活断層のズレによって地表に生じる変位の違い
(要は見た目)に現れる
平松先生によると
活断層のズレが地表まで到達するのが「断層崖」
到達しないのが「撓曲崖」
このスライドわかりやすい
ズレがズレきれず途中で止まっちゃうのは
地質とか強度によるところが大きいらしい
それから「三角末端面」(さんかくまったんめん)
尾根の末端部分にできる断層崖面のことというが
言葉だけではいまいち ピンとこない
ここ鶴来地区には
「富樫断層」という活断層が横たわってる
金沢市南部から白山市明島(アカラジマ)町付近まで
約7 kmほど
ちょうど 北陸鉄道 石川線と並行するように
その延長線上には 森本断層・野町断層があって
この3つを指していうところの
「森本・富樫断層帯」は
約2000年周期で動くことがわかっている
で
前回あったズレが おーよそ2000年前だから
もういつ ゆらりと来てもおかしくないと…
どこか 楽し気♪に平松先生はおっしゃいます
先生 学者らしい好奇心は隠せませんね(笑)
(あくまで私の主観ですw)
いやしかし 冗談じゃなく
今後30年以内にマグニチュード7クラスの
地震が起こる確率は最大8%
なんだそうで この8%
侮ることなかれ
この世界ではかなりの高確率といえるらしい
とにかく日本列島は 活断層の巣窟だということ
心して準備は怠りなく
そして 青木先生からは
「手取川扇状地」についての講義
今日はさわやかブルー♪
変わらぬ青木スマイル♪
白山手取川ジオパークが世界に誇る「手取川扇状地」
鶴来はその「扇の要」(扇頂部)に位置すること
このこと(山と海を繋ぐ場所にあったこと)が
交易を盛んにさせ
尽きることない清らかな水の恵みが
醸造業を発展させ 農業用水としても機能した
人びとは「水」の恵みに感謝し 当然のごとく
神として祀った(白山比咩神社)
そして前回のテーマでもあった
「河岸段丘」の街でもあるということ
これらを聴いたら さぁ街に繰り出そう!
◆ 断層(撓曲崖)を見に行こう! ◆
「水の旅」現地見学会初の雨模様&低気温…
テンションかなり下がり気味
やってきたのは 小柳地区というところ
ここで断層(撓曲?)を見せてもらえるらしい
案内された場所は住宅地
なだらかな傾斜があることはわかるけど
いまひとつピンときません
暫く行って家々の区画を抜けたとき
「撓曲崖」が見えました♪
北陸鉄道 石川線の線路脇を歩きます
左に見えているのは「小柳(おやなぎ)駅」
三角おにぎりのように見える御山のこちらに向いてる面が
「三角末端面」らしいです♪
小柳駅を振り返るとなんと電車が!
富樫断層の先端地点⁈
2,000年前の大地震の跡(断層面)を
目の当たりにしている
ここが田んぼだからだろうか
ホントに太古の昔から
この景色は全く変わってない気がしてくる
手前の線路だけを消してしまえば完璧!(笑)
勝手な想いだけど ヘタに開発の手が入ることなく
これからもこのままの姿で
後世まで残って欲しいと思いました
◆ 七ヶ用水発電所 ◆
次に訪れたのは ここ!
「七ヶ用水発電所」
http://www.shichika.or.jp/work/plant.html
今回 青木先生一押しのレアスポット♪
前回 直海谷(ノミダニ)でも見た「小水力発電所」
水の力を使った「流れ込み式発電所」
ところが
水がない⁈
この日は 停水中 でも
これはこれで滅多に見れない光景らしいです
水路の源は もちろん手取川
給水口
水車と発電機
この案内板 わかりやすい
特に水路のイラストに感動しました♪
説明を抜粋すると
この発電所は土地改良区が管理する施設に
必要な電力を供給するための自家用発電所
これは 流れ込み式発電所 というもので
1年間に起こすことの出来る電気量は約390万kWh
一般家庭約1,100戸が1年間に使える電気量
発電した電力は北陸電力に売電し
収入を農業用水利施設の電気料金に当てる
それにしても驚愕すべきは
今も 本流から幾つもの支流へ
さながら血管のように張り巡らされた農業用水路
扇状地(平野部)の広大な水田地帯は
この七ヶ用水を流れる豊富な水と人知の集積で支えられてきた
こんなの一体誰が最初に考えたのだろう
この問いの答えを頂きに更に移動します
◆ 七ヶ用水周辺施設 ◆
手取川から取り入れられた水が
幹線水路に供給されるところ
明治36年 取入口が一つになり
手取川七ヶ用水と呼ぶようになりました
ここもいつもなら勢いよく水が流れているところ
左2つと 真ん中右と 右端 で
それぞれの給水口を持っています
既に役目を終えているのは右端の隧道
10月には この隧道に入るツアーも企画されました♪
先人の苦労が偲ばれるレンガ造りの隧道
その歴史的文化的価値が認められ
「世界かんがい施設遺産」
「土木学会推奨土木遺産」
って 凄くないですか⁈
七ヶ用水を造る大事業工事は
江戸時代「枝 権兵衛」さんが
岩盤をくりぬき トンネルを掘って
富樫用水の取入口を造ったことから始まりました
「暴れ川」と言われた手取川から
安定して水を取り入れることができるようになり
人びとの生活は一変したと思います
その偉業が感じられるスポットが
「古宮公園」
のなかにある
「水戸明神」
水の取り入れ口の守護神がお祀りしてあります
しっとりしていい感じです♪
公園内を横切って目的地に向かいます
七ヶ用水大水門 にやってきました♪
橋の下 奥の方に「白山頭首工」が見えます
こちら詳細 ☟
白山頭首工(しらやまとうしゅこう)の概要について(白山市)
手取川の水を少なく感じることがありますが
これは手取川ダムや大日川ダムで調節しているから
用水も手取川七ヶ用水土地改良区さんが
しっかり管理しているから 今は
枯渇も洪水もない快適な暮らしができています
でも何年かに一回は
激しい濁流でいっぱいになることがあります
防災に絶対はない
ということは忘れないでいたいですね
さぁそして最後は
◆ 獅子吼高原(手取川扇状地) ◆
なんと パーク獅子吼のゴンドラに乗れた!
人生2度目の獅子吼ゴンドラは
昔乗ったそれとは違っていました♪
(どんだけ前ねんw)
そして
扇状地を見渡せる頂へ!
「獅子吼高原(標高650m)」
山頂駅で出迎えてくれたのは寒風でした!
とにかく寒い!
それでも 薄曇りと小雨の中
展望台に立つとその眺望はやはり圧巻でした!
大きく蛇行する手取川の川筋
鶴来の街並みと周辺の水田地帯が織りなすパノラマ!
このままずっとここにいたい
とは思いませんでしたが(寒くてw)
田んぼに水が張られた田植えの時期に来れたら
最高の感動を味わえると思います
ここ獅子吼高原も山頂直下に街があるという
異色の御山なのです
パラグライダーの聖地になりえるのも
昔むかーしの地球の営みによるもの
興味は尽きません♪
というところで 降りましょうか
ゴンドラ滞在時間は5分だそうです
刻々と変わる景色が愉しいです♪
今回は
扇の要が「命」の要だったということを学びました
手取川灌漑事業についての今昔物語は
石川県の皆さんに知って欲しい🎵
今ある私たちの生活の根幹にあるモノだからです
あたりまえに家のそばを流れている用水
あたりまえに口にしている酒や米や野菜
安定した水の供給があってこその実りや熟成
「食」を支える「水」と「開拓の歴史」に感謝しつつ
合掌♪
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