【尾添の報恩講料理(ほんこさん)】~白山麓の暮らしを体験してみよう♪

山と雪のエリア 【白山市尾添地区】
浄土真宗のお東では開祖親鸞さんの命日にあたる11月28日の正忌(しょうき)前後に行われる法会を報恩講と呼びます。本山や一般寺院で営まれるほか、門徒の家にお坊さまを招いて営む家報恩講(ほんこさん)もあり、親戚縁者を招いて豪華なほんこさん料理が振る舞われます。ご膳に置かれ、それぞれのお椀に山盛りの山の幸が盛られます。

毎年11月になると催される白山麓の美味しいイベント!

旧尾口村の一番奥の集落、白山市尾添地区で開かれる「報恩講料理」をいただく会に参加してきました♪

 

イベントの柱は二つ!

①尾添地区にある白山下山仏や加寶(かほう)神社など歴史ある場所をめぐり

②伝統食である報恩講料理を試食する!

残念ながらこの日は悪天候で、自然散策は中止。白山下山仏が見れるのを愉しみにしてたんですけど…天の神さまに文句言ってもしょうがないんで、気を取り直し、年に一度しかご相伴にあずかることができない「ほんこさん」に期待をかけます!

11時30分、お経もあげず、お坊さまの説法も聴かずいきなり「ごちそう」になります♪

会場は、尾添地区のコミュニティセンター(公民館⁈)玄関を入った左手に大広間、びっしりと敷き詰められた畳の奥の奥には、立派なご仏壇がありました。

じつはコロナ対策もあっていつも使う建物とは違う、より広い場所に会場を変えたそうです。

足を踏み入れると“ソーシャルディスタンス”をとった座布団がコの字に並べられており、空いているところに座ればいいのですが、先客さんがすでに両サイドに座しており

空いていたのはコの字の奥しかない…なんというか、上座に座したような形になり暫くそわそわ落ち着きませんでした💦

高い天井と明るい室内の雰囲気になじんできたころ、知り合いの女将さんが白い紙をもってきて私の前に置きました。

なになに…?ってこれ「献立?」

見るなり、ドキドキ♪ こんなに?ねぇこんなにでてくるの?一緒に参加したお友達と顔を見合わせて思わずニンマリ♪

「お汁」「煮物」「酢物」はわかる…「坪」って?「まわし鉢」とは?

「ならみみ」「くずまわし」…聞きなれない言葉が躍る♪ 肉、魚の類はもちろんない

一通り目を通したころ、目の前(といっても15mほど向こう)に、着物姿の女性が現れました。両の手で黒いお膳を持ち、少し伏し目がちな表情でスタスタとこちらに近づいてくる…と?

私の前に膝をつき、ピタッとお膳を置くと三つ指ついてお辞儀をし、ささっと立ち上がって今きたほうへ戻って行ったのです。

なんと素早い、というか、完全に不意をつかれましたね、まさか最初とは…iPhone(カメラ)掴む間もなかった💦と思ったら、もう次の膳を持って、隣にいた友人の前で膝を折ったねーさん♪

今度は撮影成功! なんという美しい所作だろう♪

ふだん温泉旅館など泊ったことがないせいか、和服姿でこう…びしっと決めてくれるとぞくぞくしちゃう💓

そうやって順々にお膳を並べていく様子を一通り見終えたあと、手元の「膳」に目を落としました♪ 黒光りした品のあるお椀が並んでいます。輪島塗だそうです。

艶っ艶の蓋をひとつづつ開けていったらば、お出ましになったのがこちら♪

おー!ボリューミー🎵

真上から見る…でかい!でかすぎるぞ、天然舞茸!でかすぎるぞ、堅豆腐!まんなかは丸ごとの栗⁈
ひとつひとつの素材がとにかくでかい!そしてこの山盛り白ご飯!
どの料理も器にあふれんばかりに盛りつけるのが報恩講の習わしとは聞いていたけど…なるほど納得!いや、驚くのはまだ早かった!
続けて供されたのは、四角い箱に入った…あれ?「折詰?」

美しー…これが「まわし鉢」だった!

本来なら名前通り、料理が盛られた「鉢」を人から人へ「まわし」ながら食するものを、コロナ禍で今回は折詰めとしたのだそうです。でもまぁこれはこれで美しいし、食べずに持ち帰るのにちょうどよかった♪

元来、報恩講料理は、家長ひとりしか招かれず、家で待つ妻子のためにおとーちゃんは、少ししか食べずに大方を持ち帰ったそうです。家族への持ち帰りを前提とする供し方、愛だなー💓

献立と照らし合わせてみよう

★一段目左から「漬物おはぎきなこ

★二段目左から「みょうがとわらびの酢物ぜんまいくるみ和えこごみごま和え

★三段目左から「くるみ入りはいびすくずまわしこんにゃく煮

くるみを上手に使いまわしてますね、栄養価の高い食材の活かし方を心得てる感じです。

山菜が多い、この時期に山菜って…どうやって保存してるのか気になります~♪

味と食感に変化を持たせて甘いものもちゃんと盛り込んで、ごちそう感が有り有りです!

おかーちゃん喜ぶ💓

毎年参加されてる常連さんもいるようです。愉しみにされてたんでしょうね~♪なんだか、微笑ましい

こういったシチュエーションで食事をするというのも新鮮ですね♪

オレンジ色のエプロンを付けているのは地元旅館の女将です(友人です)。ボランティアガイドの方もいらっしゃいます。皆さん、地元愛に溢れた方ばかり♪ 

尾添のことについていろいろ解説してくれてますが、もう我慢できません!

いっただきまーす!

お膳のお料理を確認してみましょう

【ご飯】白米(←ふだんは雑穀米だった?ことが想像される…白米はごちそうです!)

【お汁】大根・人参・堅豆腐・こけ(味噌汁じゃないところが贅沢っぽいともいえる)

程よい塩分、美味しかった♪

【坪】くるみのあめ煮・栗(お菓子=デザートを食べてる気分でした♪)

大きな栗は食べ応え十分!素朴な味♪甘く煮絡めたくるみ、美味くないはずがない!

【煮物】白山堅豆腐・ふき・人参・昆布・ならみみ・里芋(すべてがデカい!)小さく切らないことがこんなにも贅沢な気分になるなんて…

ひとつひとつを噛みしめていただきました(自然とそうなります…笑)

【酢の物】黒豆・大根・人参・ごぼう(柚子がいいアクセント♪)

味変必要ですね、小豆でピンクに色づいた大根の妙♪

で、ごちそうさまー!

がんばって完食!こんなこと言ってはなんですが「白米」が、ずしんと胃にきました💦 

蓋を戻し、あらためて見たお椀の美しさ…♪

白山一里野温泉“おかみの会の皆さんが総出で、手間暇かけて作った料理はもちろん、膳や器にも込められたおもてなしと感謝の心。有りがたーく頂きました。

ご仏壇にも御礼をして会場を後にしました。

外は変わらず時雨てました。冬が近いのを感じます。ここは白山麓、雪深い土地。

真宗門徒が守り続けた習わしと文化を、女将たち、いやこの地のひとたちはずっと守り続けていくのだろうなぁと思いました。素敵なことだと思います♪

ほんこさん料理を食べて、白山麓の暮らしを体験してみませんか?笑顔がすてきな女将たちに会えますよ♪私は、来年もまた来たいと思います♪

地図・アクセスなど

今回の会場です♪ 【尾添コミュニティセンター】

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