令和2年度「水の旅学」学習会~第6回 白山火山は不思議な火山

「水の旅学」とは、白山手取川ジオパークをより深く知ってもらうための学習会です。午前中の座学と午後の現地見学会(任意参加)という構成で、毎年開かれていましたが、今年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、動画配信という形になりました。

「水の旅学」学習会も6回目…。ついに私たちが世界に誇る山「白山」の秘密が語られます!後半は、これまでの復習も兼ねた総集編となっているようですね♪そしてそして、配信も今回がラスト!完結します♪

今年のテーマは「地球ってどうやってできたの?なにでできているの?」です。

講師をしてくださるのは、金沢大学理工学域 地球社会基盤学類 地球惑星科学コースの「森下 知晃(もりしたともあき)教授、岩石研究のスペシャリストです。

目次

Part1:白山はとっても不思議な火山

◆ ロケーション:キゴ山(金沢市)

白山手取川ジオパーク推進協議会の女性スタッフ、N嬢E嬢、と、森下教授 は、金沢市にある「キゴ山」に来ています。肉まんのようなポッコリしたお山が見えますが…さぁここで何が語られるのでしょう♪

ここは金沢大学の近くにあるキゴ山、スキー場なんだけど来たことある?

(2人)ないです

なんで、スキー場があると思う?

(N嬢)坂があるから

この山、なんでできてると思う?

(N嬢)岩

なんの岩やと思う?

(2人)・・・・・・・

きれいなこんもりした山だよね、「こ・ん・も・り」した山(笑)

(2人)・・・・・岩

問題は、なんの岩か…そんなこと言われてもわかんないよな

(N嬢)あれですか?…飛騨片麻岩…?

(笑)そう思ってもおかしくないよな、石川県の土台は飛騨片麻岩、その上にある「こんもり」した山は?

(N嬢)あ!グリーンタフです(笑)

(笑)学んだばかりだからな、じゃ、その石を見に行こう!

道路をはさんだあっちも山になってるよね。戸室山っていって、金沢城の城壁の石はここから採ってきたものなんだ。

これは、全部キゴ山や戸室山で採られてきた石。ちょっと色が濃くなっているここを見て欲しいんだけど、どんな特徴があるか言ってください

(N嬢)白い粒々があります

白い粒々って何だったっけ?固体の状態でいうと?

(N嬢)結晶!

それ以外では?他の色の粒々は見えない?

(N嬢)緑がかってるところ…灰色かな…があります

うん、細かいところが灰色がかってる。他には?

(N嬢)黒色の粒々も

黒色もあるよな。この石ってさ、どっかで見たことない?

(N嬢)道の駅しらやまさん…?

(E嬢)あー、河原にあった石…?

ジャジャーン!金沢大学に所蔵してあったのを持ってきました!

白山の火山が冷え固まった石、どんな特徴がある?

(N嬢)あー黒い中に白い粒々があります

どう?これと、この戸室山、キゴ山の石と比べて

(N嬢)一緒ですねー

一緒だよねー、白山の石はどういう石だっけ?

(N嬢)マグマが冷え固まった石!

じゃこれは?(戸室石を指して)

(N嬢)えっ、これもマグマが冷え固まったんですか?

今、俺らどこにいるんだっけ?

(N嬢)金沢

これは?(白山石)

(N嬢)白山

何でやと思う?

(N嬢)買ってきたんですかね

どっから?誰が?

(N嬢)これ作る人が…(笑)

この辺の、こんもりお餅がふくらんだような形をしているキゴ山や戸室山の石は、基本的にはこの石(白山石)。金沢城の城壁っていってもほとんど見分けがつかない、おんなじ質だしね。なんでやと思う?

 

(2人)・・・・・・

俺ら今、どこにいる?

(N嬢)金沢…あっ、白山が噴火したときに飛び散った!

白山の火山がここまで飛び散って飛んできた⁈(笑)

そういう発想になるよね。だってそれぐらい同じ石だもん

繋がってるのかな?

(E嬢)白山と同じような噴火がここでも起きた?

ここは?

(N嬢)金沢

これは?(白山石)

(N嬢)白山

何で同じようなことが起こるんやろ?

じゃあ、その辺のことは、研究室で紹介しよう!

 

◆ ロケーション:森下教授の研究室 

今回は、石ではなくて、森下教授の「商売道具」を見せてくれるそうです♪

(左上)ジャガジャーン!ハンマーです。僕は岩石を専門にしているので、サンプルを採るときは、このハンマーで石を叩き割って資料を採ってます。

(左下)これは、たがねで、こんなふうに細かい作業もやります。カバー付きなので、ちょっとくらいミスっても手を叩くことがなくなりました!思い切って石を叩くことができてます。

(右上)他には、オリエンテーリングで使うようなコンパス。これは方向を測ったりするときに使います。

(右下)それと忘れちゃいけないのがルーペ。最近老眼で目が厳しくなってきたんですがーおもしろい鉱物が入ってたりするとこうしてみるわけですねー♪

 

よく似ている♪白山/キゴ山/戸室山の石

白山ってスゴイ不思議な火山なんです。その話をしたいと思います。

今回は、なぜか金沢からスタートしました。キゴ山っていうスキー場、この近くに戸室山っていうのがあります。ポコンと2つ山があって、ここで観察をしました。で、そこの石を見ましたよね。あれ、どっかで見たことあるなって思った人は、この講座をよく見てくれてる人です♪ 

で、これは白山の石なんですけど…2つを比べてみると、白い結晶が見えたり黒い結晶が見えたりして、すごく似てます。とくにこの戸室山の石は、石川県人にはとても馴染みがあって、金沢城の城壁を作っているものなんです。

戸室山は2万年前に大崩壊!

そしてこれが3次元的に見た戸室山なんですが、スプーンでがっつり削られたようになっています。その部分がここに落ち込んでいるのがわかりますか?戸室山は2万年前に大崩壊したと考えられています。このとき崩れた小さな岩が、このへんの田んぼを掘り起こしてみるといっぱい出てきます。

戸室山が大崩壊したときの土は、浅野川付近まで流れたと考えられています。石を金沢城まで引っ張って行ったということで「石引町」という名の町もできました。地質があり、それをお城で使い、町名ができた♪ 石が、こんな文化的なことにも関係しているというのもおもしろいですね♪

で、白山ですが、白山は火山です。今でも噴泉塔というのがあって、地下に熱源がある。つまり、地下にマグマがあるんじゃないかと考えられています。白山の石はマグマが冷え固まった石なので、これとよく似ている戸室の石もやっぱりマグマが冷え固まった石なんです。不思議なのは、金沢という街のど真ん中に近いところに白山と同じ火山があったらとてつもなく大変じゃないですか。

白山は40万年前に噴火!

これは北陸地域の地質ですが、オレンジ色の三角が火山の位置を示しています。白山と戸室山の位置はここです。けっこう離れてるんですが、おもしろいことに、およそ40万年前にこのいずれの火山もマグマが活動を始めたと考えられています。ジオパークスタッフの中野さんが「白山と戸室山は繋がってるんですか?」って聞いていました。同じ石が出るから、同じ石が広く覆っていると考えたようですが、じっさいはどうなんでしょう

キゴ山、戸室山の辺りはポッコリした山になっています。実際の地質図でみると、この色がついているところだけが火山岩でできていて、他は全然そうではありません。で、この形、どこかで見たことがあるなーって思ってたら、お餅に似ているんですね。約40万年前、地下から「ねとねと」のマグマが上がってきて、ポッコリお餅のような形の山が2つできました。

じゃあ白山はどうか?白山は2,702mと高いんですが、この濃い茶色のがマグマが流れたところです。その他の緑とか薄い茶色とか黄色いところは、恐竜の化石がでる手取層群の堆積岩なんですね。

白山のベースは手取層群⁈

白山を中心にした断面図を見てみると、じっさいにマグマが乗ってるのはこの赤の部分、2,000mから上のほうです。その下のほう、2,000mくらいまでが手取層群ということになります。白山は、火山噴火で高くなったわけじゃなくて、もともと地形的に高いところにちょこっとだけマグマが付け加わったような感じです。

日本海ができたら日本が縮んだ⁈

じゃなぜここは高くなったのか、またまた日本海の形成が関連しています。日本海の形成にともなって、大陸の端が大きく開いていく力と、太平洋プレートやフィリピン海プレートが沈み込んでいく力が押し合いへし合いにとなります。ぎゅーっとプレートが押されることによってできた高まりの上に、下からマグマがちょこっとだけ噴いた。これが白山ということになります。

沈み込む2つのプレート:プレートテクトニクス

じゃあなぜここにマグマができるのか…新しい時代の火山の位置を見てみましょう。この三角が火山の位置ですが並んでいますよね。今ある火山の位置は、プレートの沈み込みに関連していると考えられています。

線が描いてあるのはプレートが沈み込む深さ、青くなるほど深く、赤いところは浅いことを表していて、東から西にどんどん沈み込んでいくようすを示したものです。これをみると、この線の方向と火山の分布が一致してますよね。

日本列島の多くの火山は、太平洋プレートが沈み込んだ、だいたい100km~200kmのあたりに集中しています。これがなぜかというと…

プレートテクトニクスの話をしましたね。海でできたプレートがどんどん沈み込んでいく。で、海水とプレートが反応してプレートの中に水が蓄えられていき、日本列島の下で吐き出される。だいたい100kmくらいのところに水が吐き出されてそこでマグマができる。その上に火山ができる、と考えられています。

マグマを発生させる「水」の影響

簡単に説明すると、横軸に温度、右に行けば行くほど温度が高くて、下が深さ方向です。赤線が岩石が溶け始める温度なので、これより右、つまり高温だと岩石は溶けて、低いと溶けません。通常は、地球の温度条件を考えると、深くなればなるほど温度が高くなる、つまり右に行くのでこういう勾配、傾きを持ってます。通常こういった場所では、岩石が溶け始める温度よりも低温側にあるので固体のままなんですね。だけど、もしここに地下から水が供給されると、岩石が溶け始める温度が急激に低くなります(青線で示したところ)。

プレートが沈み込むところでは、プレートに含まれている水が脱水して水が吐き出されると考えられます。

白山のマグマは特別なマグマ♪

で、日本の多くの火山は、100km~200kmの間にたくさんできているんですが、白山や戸室山は太平洋プレートが約250km~300km沈み込んでいるところにあります。ふつうこんなところで水はなかなか出ません。

じゃあどう考えるかというと、東から西へ沈み込んでいる太平洋プレート(赤線)の上に、フィリピン海プレートと呼ばれるものが、日本の南から北に向かって沈み込んでいる。その先端が石川県の下あたりで、太平洋プレートが深く沈み込んでいる上に、浅いフィリピン海プレートが重なっているという非常に特殊な場所に位置しています。

これにはいろんなモデルがあって、深く沈み込んでいる太平洋プレートの上に、浅いフィリピン海プレートが触れているという説(上図)、もしくは、太平洋プレートから押されて変形したフィリピン海プレートがあってここから水がきてる(下図)んじゃないかとも言われていて、とにかく未だに謎なんです。

このように、白山は、日本列島でふつうにマグマができる場所からはずいぶん離れたところにできているという不思議な火山で、今も研究が続けられています。火山であることは間違いないのですが、どこからどうマグマができたかというと、まだまだ謎の部分がたくさんあります。

地球科学的にいうと、プレートが押し合いへし合いする日本列島のなかで、非常に特別なマグマであり、しかもそこにマグマをつくるカギは、プレートによって運ばれた「水」。そしてこの講座のテーマは、石と水の関係でした。白山はとても不思議な火山であるということがわかってもらえると嬉しいです。

Part2:第1回からのまとめのお話

◆ ロケーション:森下教授の研究室 

石川県にある色んな石を使って石川県がどうやってできてきたのかということについて見ていきましょう!が、その前に、この石を見てください

この石は、ちょっと緑っぽくて日本海が形成されるときの石に似ているんですがちょっと違うのは、横に伸びた模様とコロコロしたものが見れるってところです。今回の講座では説明していませんが、白山白川郷ホワイトロードでけっこう見られる石です。

よく似た石がこれです。横に伸びた模様はガラス質です。やはりマグマが冷え固まったものですが、おもしろいことに同じ方向にガラスがつぶれているんです。火山灰が大量に積み重なって熱がこもり、固体になったものの一部が熱で溶けて柔らかくなったものが伸びたものです。

さ、振り返っていくよ!

 

地球の歴史/46億年~40億年の記憶

地球の歴史は46億年です。ピンとこない人は、46億円、というふうにお金に換算してみてください。46億年前、微惑星、小惑星といったものが衝突、隕石が降りそそいだりして地球はできました。

45憶年ごろには、火星ほどの大きさのものがぶつかってバラバラになったものが集まって、月ができました。地球のスタート時点での物質というのは、そういった小さな惑星や微惑星で、その中にあった「水」が、今ある地球の水の起源となっています。これは46憶年から40億年ごろに起こったと考えられています。

そして、地球がどんどん冷えていくとができはじめました。いつできたのかを特定するのは難しいのですが、40憶年前には存在していたと考える人が多いです。

この図を覚えていますか?「プレートテクトニクス」プレートができて地球が動くという、地球の表層の環境変動をコントロールする理論です。これがいつ始まったかということについて熱い議論がなされています。これも40憶年まえに始まった、とするのが古いパターンで、新しいパターンでは、20憶年くらいまえに始まったと考える人もいます。

じゃあ生命はどうでしょう?だいたい40憶年くらい前には、我々の初期生命がいたんじゃないかと考えられています。おそらく小さなバクテリアのようなものだったと思われます。

地球の現在から46億年前という歴史をふりかえるとこのようになります。で、石川県の石の記憶はというと、3億年くらい前の歴史を見ることができます。

まず「飛騨片麻岩」です。「道の駅しらやまさん」にあった大きな石が代表的な石ですね♪石の模様が流れて見えるのが片麻岩です。

石のできかた3種類(火山岩/堆積岩/変成岩)

石のできかた3種類を復習します。地球は岩石でできています。黄色の三角は山のつもりです♪で、岩石が溶けた地下にあるのがマグマ。マグマが地表に移動してきて固まったものが「火山岩」と呼ばれるものです。山や火山が、川で削られて、運ばれて、海に堆積して、固まったもの、これが「堆積岩」。そして火山岩であったり、堆積岩であったものが、できたときより温度や圧力が高い条件で力を受けて形が変わったものを「変成岩」と呼びます。

34億年前の記憶を持つ/飛騨片麻岩

で、飛騨片麻岩というのは、変成岩の一種です。これがいつできたのか?地球の現在から46億年の歴史のなかでみると、変成岩としてできた時代は、だいたい2億5000万年前の影響が強いと考えられています。変成岩は、変になってしまった石なので元になる石があります。この石も元をたどれば、珊瑚のようなものだったと考えられています。

飛騨片麻岩の元になった岩石の年代を調べてみると、34億年前のものもあって、それは非常に小さな粒として入っています。34億-26億-18億-11億-6億…前といった砂粒が混じっていて、それらが起源になって変になった変成岩が入っています。

これらが飛騨片麻岩の元になった石で、片麻岩は地下で温度圧力条件が変わって変成岩になり、今、陸上に露出しています。

飛騨片麻岩を覆った/手取層群

で、どういった環境だったかというと、飛騨片麻岩は、元々はアジアの大陸の一部を為していました。それで何が次に大陸の石を覆ったかというと「手取層」と呼ばれる堆積岩です。化石で有名ですが、このように砂岩、礫岩でできています。礫の中には、オーソコーツァイト「玉石」と呼ばれる大陸にしかない丸くてツルツルの石があって、基本的には山や火山のものが運ばれて堆積しました。

時間を見ると、飛騨片麻岩が2億5000万年前に対して、手取層の堆積岩は、2億から1億年まえくらい、ちょうどジュラ紀あたり、恐竜がいた時代に溜まった堆積物で、これらも大陸の長い川の流れの中で溜まったものです。ごくごく一部の地域に堆積していたと考えられています。その次が先ほどお見せした石です。

白山の土台の一部/濃飛流紋岩

この石は、横に伸びたところが特徴的な石なんですが、濃飛流紋岩と呼ばれています。これは今回あんまり紹介しなかったんですが、けっこう大事なんですね。

このピンク色に塗られた部分が、濃飛流紋岩と関連した岩石が分布していて、この火山活動はものすごく大規模だったと考えられます。

白山の近傍には、堆積岩の手取層があったり、ピンク色の濃飛流紋岩の分布があったりします。白山の土台の一部はこの濃飛流紋岩だと考えられています。活動時期は、だいたい1億年くらい前で、短期間に大量の火山が噴火したんですね。手取層の上に一部分、この濃飛流紋岩が分布しているということになります。おさらいすると、飛騨片麻岩があって、手取層群の堆積岩があって、濃飛流紋岩がある、ということです。

日本海の形成に伴うドラマ

次のイベントは、日本海の形成に伴うドラマ。日本はもともと大陸の一部だったんですが、パカッと開いて、離れて、そこに水が入ってきて日本海ができたと考えられています。開いたところでは、広範囲な火山活動が起きたと考えられています。それはどんな噴火だったかというと、海水中で噴火するということで細かい火山灰などに水が付け加わることによって、変質や風化を強く受けました。その結果、緑がかった色の岩石になりました。

緑色と云えば「粘土鉱物」粘土も鉱物です。元素の配列が規則正しく周期性を持っていて、そのなかの動きやすい層があるために柔らかくて形を変えやすいという特徴を持っています。

広範囲の火山活動が起きて、飛騨片麻岩があり、手取層があって、濃飛流紋岩がある。日本海の形成がいつ頃あったのかというと、ごく最近、2500万年から1500万年前に開いたと考えられています。

さらに、太平洋プレート(東→西)フィリピン海プレート(南→北)の押込みに影響を受けて隆起が起きます。飛騨山脈などはこの辺でできるわけです。さらにプレートの沈み込みが何を起こすかというと、水の循環(青色部分)です。

40万年前に火山活動が始まった/白山

海水と岩石が反応して、水を含む岩石ができる。それが地下深部までいって水を吐き出す。そうすると、火山活動が起きます。隆起した地域の下に水が運ばれる、その水を使って白山の火山ができた。活動が始まったの約40万年前です。地球の歴史をみるとごくごく最近なんです。

豊かな文化や恵みは白山のおかげ

こうしたさまざまな地質が集まっていることで、石川県では豊かな文化が花開きました。例えば日本海でできたこの柔らかい石、加工がしやすいので削って、こうして階段を作り、豊かな自然の景観をつくったり、良質な粘土を使って九谷焼が発展したり、水と岩石の反応によってできたメノウを加工して装飾品に使ったりしてきました。

さらに白山、押し合いへし合いの末に高くなった地形に火山岩が付け足されたことによって、海に近いところに高い山ができました。そのため、手取川が急激にできた山を削って石を運び、扇状地をつくりました。

白山には雪があって、これは水の貯蔵になります。夏まで豊かな水量があり、大きな石が転がる地下を流れることによって伏流水になります。これがまさに天然の水フィルターになってきれいで美味しい水ができます。それを使って美味しいお米を作れる場所がある♪きれいな水と美味しいお米で美味しいお酒もできる、とてもいい環境なのです。

そして冬の白山、春先の白山をみてると、白い山が遠くに見えてホントに神々しい感じがします。白山は信仰心の象徴でもあります。このように、石川県白山市の成り立ちを考えると、ひじょうに複雑な履歴を持ちながらも微妙なバランスを保って、心も体も豊かな環境を作ってきたのではないかと強く感じます。

どうでしたか?この講座を通じて、石に興味を持ってくれたり、石川県白山市に興味を持ってくれたり、それらがあるがゆえに我々の生活に大きな影響を与えているということをわかってくれたら私は嬉しいです。

これで室内からの講義は最後になります。長い間、ホントにありがとうございました!

 

◆ ロケーション:獅子吼高原(スカイ獅子吼) 

はぁーい!戻ってきました!今、獅子吼高原に来ています。さぁ見てくださーい!きれいな手取川がよくみえるねー♪

この2020年、水の旅/石の旅を一年間、続けてきてどうだった?

(N嬢)地球って石と水が関わってできてるんだなと思いました

そうだな、ここから見える日本海、地球の長い歴史から見たらできたのはつい最近で、できる前は大陸の一部で、手取の恐竜がいた時代があって、そのあと日本海ができて、出来るときにはものすごい火山活動があって、それから白山の火山が噴いて、地殻の変動があって、高い山ができて、それらを全部手取川が切り取って、手取川が運んでいく。

それが今見てる扇状地にドドーンと広がっていく。そこに田んぼがあったり、こうして人が住んでいたり、文化が根付いて美味しいものが食べれて、スゴイ楽しい生活ができてるなと思って…楽しい…?楽しいじゃ足りねえな、なんて言ったらいいんだろ

(E嬢)水と石があるおかげで生活が豊かになった気がします。

いいこというじゃないか~♪もともと、地球ってのは「石」そこに「水」がずっとあるという奇跡。白山の下にプレートが沈み込んでいく水の大循環。白山の雪の水。こういった水を俺たちは全部使って生活してるよなーってことを改めて感じるよな

ぜひ皆さんも、ここに来てもらっていい景色を見てもらえると嬉しいなと思います。

(N嬢)水がどう流れているのかとか、大地がどう作らてれているのかとか、そんなところにも思いを馳せてこの景色を見てもらえたら尚いいと思います♪

いいよなぁ~ホントきれい!単純にきれい!

よし!名残惜しいけどお別れの時間がやってきました!

皆さん、一年間、どうもありがとうございましたー!

(2人)ありがとうございましたー!

視聴を終えて

とうとう終わってしまいました💦「2020年/水の旅学」超ー淋しいです😢 私は、2015年から白山周辺を歩き始めました。柱状節理をみるとドーパミンが溢れてくる傾向があり…(笑)感動を誘う石の造形に出会うたび、そのルーツが気になり、検索もよくかけましたが、独学って結局、わかるようなわからんような…でー結局わからん💦

それが、この3ヶ月、動画を見てきただけなのに!

今までとは違う!ちゃんと「入ってる」気がするんです…🎵

全ての講義を聴き終えて思うのは、基礎から学ぶって大事だなーってこと。地球とか結晶とか化学組成とか、根っこのところを最初に刷り込まれたせいか、今は、抵抗があった専門用語がひょいっと入ってくる不思議…考えてみたら森下教授は大学の先生でした(笑)ホンマモンの学生でもないのにこんなユニークでわかりやすい講義を受講できて感謝!感謝です!

天然キャラ全開の中野さん、いつも冷静な江表さん、擬態語とオーバーアクションの連打で楽しませてくれた森下教授、カメラマン(おそらくH氏)さんにもお疲れさまと言いたい!で、来年の「水の旅学」も期待してますので、どうぞよろしくお願いしまーす🎵

◆ ロケ地周辺にあるジオポイント◆

 ★パーク獅子吼からゴンドラに乗ってスカイ獅子吼へ!標高650mの高原に降り立つとそこからは、加賀平野から日本海までもが一望できる、美しい手取川扇状地が見渡せます。レジャーとスポーツが楽しめ、高原のカフェもそろっています。北陸のハング&パラグライダーのメッカとして評価も高く、運輸省(現国土交通省)の優良スカイスポーツ・エリアにも選ばれました。

名称スカイ獅子吼
所在地石川県白山市八幡町リ110
営業時間10:00~17:00※ゴンドラ登り最終は30分前まで
定休日火曜、冬季
ゴンドラ料金大人往復 710円、片道500円
小人往復 300円、片道250円
※団体割引、障がい者割引あり
ゴンドラ運行予定日ホームページやFacebookなどで事前にご確認ください
駐車場250
交通アクセス白山ICから国道157号線を南へ20分
北陸鉄道石川線 鶴来駅
関連HP獅子吼高原

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