令和2年度「水の旅学」学習会~第5回 日本海はいつからあるの?

「水の旅学」とは、白山手取川ジオパークをより深く知ってもらうための学習会です。午前中の座学と午後の現地見学会(任意参加)という構成で、毎年開かれていましたが、今年は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策のため、動画配信という形になりました。

第5回の配信動画が届いたので見せてもらいましょう♪

今年のテーマは「地球ってどうやってできたの?なにでできているの?」です。

講師をしてくださるのは、金沢大学理工学域 地球社会基盤学類 地球惑星科学コースの「森下 知晃(もりしたともあき)教授、岩石研究のスペシャリストです。

目次

Part1:日本海ってどうやってできたの?

◆ ロケーション:十八河原公園(鶴来地区)

白山手取川ジオパーク推進協議会の女性スタッフ、N嬢E嬢、と、森下教授 は、手取川がその流れを大きく変える手前の河原にいます。が、今回は研究室のお話から始まるようです。日本海が開いていく秘密、教えてもらいましょう♪

◆ ロケーション:森下教授の研究室 

森下教授のコレクションから、今回の「俺の石♪」◆Part1はこれ

これは溶岩が流れたときの模様です。この前、フライパンに溜まった肉の脂をしばらく放置して、そのあと傾けるとこんなふうにシワシワな垂れ具合になったんですよ。マグマも地表付近で冷やされるとネットリするのでこうしたシワシワができます。

黒いのは、噴火して飛び散ったマグマが冷え固まった石で、さっきのシマシマ溶岩とは違って見えます。白いのは白山の石です。これらは見た目はかなり違いますが、どちらもマグマが冷え固まった火山岩ということになります。

噴煙などには、さらに細かくなったマグマの破片が含まれています。この黒い石の仲間ですが、軽いので遠くへ飛ばされたりします。マグマが冷え固まった火山岩といっても色々あるということです。では本題に入りましょう!

日本海ができたのはつい最近⁈

日本海は、ずーっと昔から今のように存在していてこの先も変わらず存在し続ける…と思いますか?地球46億年の歴史の中で考えると、できたのはつい最近のことなんです。

日本の地質についてもう一度見ていきます。この図は、我々は飛騨片麻岩(変成岩)という土台の上にあって(黄色い部分)、それは大陸までつづいていて、もとはアジア大陸の一部であったということを示しています。

日本海の水を抜いてみると⁈

日本海の水を全部抜くとどうなるかというと、この黄色い部分、これは大陸の破片ですが、これらが分布していることがわかります。じゃあこの大陸の破片以外のところは何でできているかというと、赤い部分、新しいプレートでできています。図中の矢印は、開くような形に描いてあります。ここは、新しいプレートが「広がってる」イメージなんですね。

日本海ができたのはいつ?

およそ2000万年前には、東日本と西日本は大陸の縁にあったと考えられています。2000万年からおよそ1500万年前ぐらいのあいだに観音開き的にパカッと、東日本は東北の位置に、西日本は西日本の位置に移動して、ここに海水が流入してきて日本海になったというわけです。

日本海はプレートの沈み込みに関与してできた海

こういった日本海型の海ですが、プレートが沈み込むものに関与してできた海だと考えられています。太平洋や大西洋とは違っています。このように日本列島に対していろんなプレートが沈み込んでいて、それに伴って、日本海は奥のほうへ向かって割れるようなイメージを持っています。

日本海型の海と云うのは、太平洋なんかと比べると小さいです。太平洋の西側、この赤で示しているところが日本海型の海です。プレートが沈み込む場所になぜかパカッとできます。

まだ決着がついていない日本海形成モデル 

こんなふうに西太平洋側に、日本海型の新しい海ができているんですが、どうやってできるのかは、まだよくわかっていません。いくつかのモデルがあるんですが、ざっくり分けると、左は、下から突き上げられて開いていくパターン。右は太平洋側に(横方向に)ひっぱられて開いていくパターンです。

例えると、下からやってくるのは「ニキビモデル」横に引っぱられるのは「切り傷モデル」こういうイメージで思ってください。

決着はついていませんが、ひとつわかっているのは、岩石がドロドロに溶けたマグマが地下からやってきて、それが冷え固まって岩石になって、新しい海洋地殻を作って日本海が開いていく、つまり火山活動が起きていたと考えられるということです。

火山の痕跡って⁈

この火山活動ですが、ものすごい広範囲で起きていたと考えられています。これは北陸三県の地図ですが、紫色やオレンジ色のついている部分が、日本海の形成に関与したと思われる火山活動が起きたとみられる場所です。

日本海の形成に伴う「火山岩類」

このピンク色で示している部分は、日本海の形成に伴ってできた大規模な火山噴火によってできた岩石や物質(火山岩類)が、溜まっている場所です。未だかつてないほど大規模な火山活動だった可能性があります。我々のいる場所も東北の日本海側も、日本海ができる大規模な火山活動の「最前線」にいたことがわかります。

日本海形成のカギはやはり「水」だった!

では石川県で、これらの火山活動の痕跡を見たり感じたりしたことがありますか?じつはメチャクチャ我々の生活に関与しているんです。

この大規模な火山活動に加えて…

海水が流入してくる → 火山活動によって(日本海が)割れる → 海水が流入する → 火山活動がつづく → 海水がさらに流入する… こうして、日本海ができたことによってさまざまな現象が起きます。これが、石川県に住む私たちの生活や文化に大きな影響を及ぼしています。

では、日本海でできた火山活動の痕跡を見に行きましょう!

 

◆ ロケーション:十八河原公園(鶴来地区)

N嬢E嬢、と、森下教授 は再び十八河原にやってきました。

日本海が開いてきた痕跡を探しに来ました。

この辺にある石なんだけど、どんな特徴があるかな?

(N嬢)全体的にみどり色です

うん、他には?

(N嬢)ひとつが大きい…地面のようです

ああ、見渡す限りこの緑色の石がずっと広がっているね

崖のほうも同じように緑色に見えるね。形は?サイズは?

(N嬢)大きいの小さいのバラバラに入ってます

この石は石川県にかなり広がっている石で、どうやってきたかを考えなきゃいけないんだけどこれがけっこう難しいんだ。この辺だけを切りとってみてみようか、この中にある細かな石も緑がかってるね、石と石の隙間は?

(N嬢)緑色

やっぱり緑色だよな、いろんな形の破片があるし、周りの隙間を埋めているのも全体的に緑色だという特徴がある

(N嬢)茶色いところもあります

おーどういうところが茶色になっているのかわかる?

(N嬢)ひびが入ってるところ?

冴えてるねー!これはいわゆる風化の影響。ここに水が通過することによって錆ができた感じ、話を戻そう!緑色がどうやってできたか…答えから先にいうと、この石ころも隙間埋めてる部分も全部マグマが冷え固まった物質の破片であったり細かくなったものが集まってできた石じゃあどうやってマグマが噴火するときにバラバラになるのか…マグマってどうやって流れると思う?

(E嬢)どろどろっと…

うん、日本海が形成されたところに下からマグマがやってくると、どうなると思う?

(N嬢)冷える!

急激に冷える、そのときにどんな噴火になると思う?

水の中に熱いマグマを入れたら?

(N嬢)固まる

(E嬢)爆発する

おー水蒸気でドン!今日は冴えてるなー!ドンと爆発したあとで急に冷えることで、色んなサイズの液滴や小さな破片、火山灰などが、ドーンドサッと溜まる…だから様々な大きさの礫、砂、泥が同じ場所に堆積している

(N嬢)あ、ふつうの堆積岩だと重さ(大きさ)が一緒?

そう、冴えてるねー!川の流れでできた堆積岩だと、大きい礫は上流、泥や砂は下流というように、重いものは山の近く軽いものは山から遠くに堆積するだろ。礫の重さ(大きさ)も大体一緒になる

(N嬢)だけどこれは流れてなくてドサッてなったんですよね、そんなにゴツゴツしてないのは…

長い距離を移動してはいないけど、多少は流れの影響があるから…。火山灰のような細かい部分が多くなっていくと堆積岩のような構造が見えてくる。ここは礫が多いから噴火した場所に近いかな…少し離れたり噴火の勢いが弱まると、火山灰は静々と溜まっていくんだ。それも緑色…これが、日本海が開いた時に、水の中で火山がドンと噴いてドサッと溜まってできた痕跡

(N嬢)なんで緑色なんですか?

おおっと!それは次だ!

…の前に河原をもう少し散策、興味深い石を見つけました!

こうやって見てると結構、みどり色の石って落ちてるよね♪

これ見て!割と簡単に割れる!これ、どんな感じに見える?

(N嬢)ウェハースのお菓子(笑)

朝飯ちゃんと食ってこいって!だからつい食いもんに見える(笑)

これはさっきの礫いっぱいの石とは違って、堆積岩みたいな縞々模様ができてる。これは火山灰ばっかりが集まってできた石ころ

(E嬢)水の中で溜まるとこういう模様になるんですか

うん、これは黒っぽい緑と薄いそれとの繰り返しになってる。この色の違いは、火山の噴火のタイミングが違ったためかもしれない。こういうものから日本海の形成に伴う火山活動のいろんなことがわかるよね。河原の石ころも忘れないでしっかり観察していこう!

Part2:水蒸気爆発が生んだお役立ち石♪

◆ ロケーション:横町うらら館 

N嬢E嬢、と、森下教授 は、鶴来町にある白山市の観光総合案内所「横町うらら館」に来ています。およそ180年前に建てられた町家の建物で格子窓がいい感じの風情を醸してます。ベンチに腰掛けながらお話が始まりました♪

じゃあさっきの続き、石が緑色になる秘密を考えてみよう♪

固体の状態を思い出してみて。石ころは何でできてたっけ?

(2人)ガラスと結晶

じゃまずマグマになります。動いてー!

3人は、立ち上がって動きだします

ゆっくりと座りますよー!

3人、ベンチに座る

はい、これが結晶

も一回、マグマになってー!

3人は、再び立ち上がって動きだす

はい、固まりますよーストップ!

3人、アンバランスな立ち姿勢で静止

これが、ガラスの状態です

さぁ、座ってる状態とガラスの状態、どっちが楽ですか?

(N嬢)座ってる状態

ガラスの状態は?

(N嬢)不安定

不安定なときってどうなりたい?

(N嬢)安定になりたい

安定になりたいよね

じゃ日本海ができるときに水中で噴火した火山はどうやって冷えるんだったっけ?

(N嬢)急激にジャッと!

急激に冷える、ということは、ガラス質か?結晶質か?

(N嬢)ガラス質

ガラス質は不安定なので安定したい。そのとき水に触れると安定になる。これが「変質」ということ。ガラスって変質しやすい。ガラスがリラックスして安定すると新しくこの緑色の鉱物(石ころ)になります。

ところで、どーんとマグマが噴き出すときの温度って高い?低い?

(N嬢)高い

水の温度は?

(N嬢)低い

そう、温度が低い状態でガラスがは安定するんだけど、このときの状態ってイメージ的に堅いと思う?柔らかいと思う?

(N嬢)水の中でのんびりしてれば…ぐにゃ~って

少し柔らかくなる?

で、それを我々は、上手く使っています!

 

◆ ロケーション:横町うらら館の「蔵の中」 

3人が町家らしい細い通路を歩いてきます

ストップ!今、俺たち階段上ってきたよな?

上りやすくなかった?

(N嬢)階段ですか?

よく見ろーこの石を!あ、石って言っちゃった!(笑)

この階段が何でできてるかよく見てみよう

(2人)あっ!みどりですねー

どっかで見た石だな

(N嬢)さっき河原でみた?

そう、河原で見てきた石な、結構きれいな緑色してるだろ

で、階段が歩きやすかったのは何でだと思う?

 

(N嬢)階段だから(笑)

(笑)なんで歩きやすいと思う?

(E嬢)削りやすかった?

おー話がジャンプしちゃったなー(笑)

「階段状」になってるってことが大事、ここは古いんだっけ?

(今からおよそ170年前に建てられました)

この土台になってる部分ってかなり昔のを使ってると思うんだけど…昔の人って、石削るの大変じゃない?

(N嬢)ですよね…

もし人力で石削れって言われたらどうする?

(N嬢)思い切りエイッって投げる!

(笑)運よくパカッてなってもこんなにきれいにならんくね?

(N嬢)あ、いっぱい歩いたんじゃないんですか?この上を…

おー何万年もかけてな…こら、そんな暇は俺たちにはない(笑)

じゃ、どんな石を選ぶ?

(N嬢)削りやすい石

そう、この石、削りやすいんです

(E嬢)柔らかいから?

そう!そしてなんで緑色なのか問題…

マグマがガラスの状態で冷え固まった岩石が、水にずーっと浸かっていることで、この緑色になった部分の一部は柔らかい「粘土鉱物」に変わっているんだ。粘土鉱物っていうのは結晶なんだけど、その隙間に水の材料であるOH…酸素と水素がひっついたやつ…とかが挟まってて、そのせいで柔らかくなるという性質がある。

長期間、水が十分にある環境の中にいることが大事で…

お、この火山ってどこで噴火したんだっけ?

(N嬢)日本海!

だよな、水は?

(N嬢)たっぷりある!

たっぷりあるよな、そういったところでゆっくり水に浸かった火山灰は、柔らかくなる、粘土鉱物ができる、そういった石は削りやすい…で、白山市の人たちは、こうした柔らかい石を上手く削りだしてきて、階段にしたり、家の壁にしたりして使ってきたんだ。

俺たちの文化そのものが石と水の反応によってできてる、ってことがよくわかるな

(2人)はい!

◆ ロケーション:森下教授の研究室 

森下教授のコレクションから、今回の「俺の石♪」◆Part2はこれ

湯のみですが単なる湯飲みではありません。これはヒスイの湯のみです。石を巧みに切り抜いて器にすることで我々の生活を豊かにしています♪

左はガラスです。200年前のカナダの金属鉱山からでてきたおそらくワインボトルの底だと思われます。

右は僕のコーヒーカップ、これもセラミックで、よくよく考えるとこのガラスもセラミックも岩石です。

固体を溶かしてドロドロにして固める、こうして我々人類は、天然のものを溶かして成形して役立ててますよね(あ、カップの底が汚れてる💦)まぁこういったものも僕は大好きです。

 

そしてこれはメノウの灰皿です!僕自身はたばこを吸わないんですが、昔、たばこを吸っていた教授がなぜか僕に置いてってくれたものです。きれいですよね♪

さて、今日の話に戻りましょう!

 

普通じゃない堆積岩って⁈ 

先ほど見てきた石の仲間、例えばこの石ですが、まるで礫が固まった礫岩のように見えます。が、このさまざまな大きさの礫や細かい部分も全てマグマが冷え固まった固体で、これが通常の堆積岩と違うところです。ふつうの堆積岩だと石英の粒なんかがあるんですけど、これは全て火山性のものです。もう一つの特徴は、緑色をしているということです。

で、この日本海の火山活動でできた石が、意外なことに、九谷焼の文化と関係があるんじゃないかと思っています。キーワードは、火山活動と水です。

1973年に水中噴火した「西之島」

これは、1973年にできた西之島です。ずっと成長を続けていてけっこう大きくなってるんですけど、これを見るとまさに、海で火山活動が起きるとどんなことが起きるのかということを想像させてくれます。噴火が起きる傍に水がある。水と熱いマグマが触れると大水蒸気爆発が起きるんですね、そのため、液体だったマグマが水に触れて、非常に細かいものがたくさんできることになります。それが、隙間を埋めているんですね。

日本海の形成に伴う「グリーン・タフ(火山灰)」

日本海が形成された時のマグマの活動の分布図です。緑色を呈しているので「グリーンタフ(火山灰)」と呼ばれています。緑色の火山灰が溜まったような岩石で、グリーンタフ地域と呼ばれます。これは細かい火山ガラスの破片でできていて、水が関与することで火山岩が変質したやや柔らかい物質になっています。

九谷焼~柔らかい石&陶石:粘土 

さて、これと九谷焼がなぜ関係してるかという説明をしていきます。九谷焼は、昔、鉱山開発の最中に「陶石」が発見されたことによって始まったと言われています。そもそも焼き物というのは、「粘土を主原料にして成形し焼き固めたものです。まずは、粘土質の「陶石」が必要ということなんですね。なおかつ陶石は柔らかい…と、ここまでくると、今まで見てきた、火山が変質した柔らかい石、というものに近づいてきませんか

で、ここでのキーワードはやはり「水」なんです。やはり岩石と水の反応っていうのが、鍵になってると考えます。

で、粘土って何かというと元素が規則正しく並んでいる鉱物、固体です。これは化学組成を表しているんですが、まず水素を含むということで隙間があります。その隙間に水が入っていたり、アルミや鉄やシリカや酸素ってのが規則正しく並んでいる。そこに一列だけ弱く見えるところがあります

こういった弱い層があることで、ある方向にはものすごく柔らかいという性質を持っています。なので、こねて形を作ることができるわけです。

化学組成で見る粘土鉱物の生成

マグマからできる代表的な結晶に「斜長石(CaAl₂Si₂O₈)」があります。よく白山の石に含まれてる白い粒々の結晶ですが、これに水が加わることで「粘土鉱物(Al₂Si₂O₅(OH)₄)」になります。水が、いろんな元素を溶かす、溶かされたもの同士のイオンを再結合させる、という性質を持っているためです。

さて、焼き物(九谷焼)を作るためには、大量の粘土が必要になります。粘土鉱物ができるためには、低温下で、たくさんの石(マグマからの結晶)と、たくさんの水が効率よく混ざることができる環境が必要です。リーンタフは何だったかというと…

火山岩が変質した柔らかい石で大量に存在します。水中で噴火し、細かい砂粒になった状態で水に触れることによって変質のチャンスが増え、粘土が大量に効率よくできたと考えられています。九谷焼のもとになった粘土というのは、日本海の形成にともなってできた細かな砂が大量に積み重なったことでできた極めて質の高い粘土であったのではないかとかと考えられます。

柔らかい石の使い道

ということで「柔らかい石」を、我々は昔から使っています。

ここは、小松市にある採石場「滝ヶ原石切場」です。石がきれいに切り抜かれた状態を見ることができます。

鵜川石切場」ここも小松市にある石切場です。これらの石をどう使っていたかというと、城の石垣に使われたり、石段として加工されたりしていました。柔らかく削りやすい石だったからこそできたことです。飛鳥時代に造られた「河田山(こうだやま)古墳群」に使われている石も、おそらくは、日本海で形成された柔らかい石を使ったものと思われます(未確認)。

先ほどお見せしたメノウは、小松市や白山市で多く産出されます。主成分は「SIO₂(ケイ素)」。これも水の中に溶け込んでいたケイ素が固まったものだと考えられます。昔から首飾りなどに使ってきました。

さらに、この丸い点の地域を結んだところ(青緑帯)、これは「鉱床」があるところです。鉱物の鉱床、ここには資源として利用できる元素が集まっています。

尾小屋鉱山」(小松市)も、柔らかい石の中に元素がギュッと詰まっています。先ほどの鉱床の分布とグリーンタフの分布とを重ねてみると、まさしく一致します!

…ということで、興味の尽きない「石切場」ですが、現在は危険ということでどこも立入りが禁止されていますので、ご承知おきください!

 

このように火山活動によってできた大量のマグマが固まった岩石と水が反応することによって、粘土ができたり、ある種の元素が濃縮した鉱床ができたりします。それらを使って、石川県の文化は、ユニークな形で発展してきたのではないかと考えることができます。

日本海が形成されるイベントというのは、日本海が我々にとって癒しの場であると同時に、文化を支えてきた大きな存在だったということがわかるんじゃないでしょうか?

どうです? 日本海の形成にともなう岩石、おもしろいでしょ!

 

◆ ロケーション:横町うらら館 

横町うらら館前に戻ってきましたが…森下教授がなにやら壊れています💦 鶴来名物「こびと図鑑」の顔出しパネルになじみ切ったようすに、N嬢とE嬢は笑いを抑えきれません!

おう、じゃあ、この、緑色の石が、日本海を形成…(マジ顔)

(ゲラゲラ)森下先生、何してるんですか(ゲラゲラ)

なにしてるって…これ…なんか…なんで置いてあるの?

まず、そっちを説明してくれ(オトボケ)

(笑いが止まらないN嬢💦)

鶴来はこびと図鑑の街ということでPRしていて、これはその中のバイブスマダラっていう生き物の顔だしパネルで、そのなかにいらっしゃいます(笑)

この、イラスト、ときどき見るよね(ニッコリ)

なんか、キモかわいいやつ(ゴ満悦)

(笑いが止まらないN嬢💦)

これを描いた作家さんが鶴来のご出身らしいです(ニコニコ)

ああ、だから街のあちこちにこのパネルがあるんだ(ゴ満悦)

(2人)よくお似合いです(笑)

(笑) じゃあこのまま、続けようか(ゴ満悦)

(笑)

日本海が開いたときに大規模な火山活動が起きて、そこで緑色の石ができんだけど、この活動とは別に石川県での火山活動ってある?

(E嬢)白山火山ですか?

白山火山、これもドロドロに溶けた石が冷え固まってできたという意味では、日本海の形成と同じなんだけど、何が違うのか!

もう一回、改めて考えようじゃあないか!(ドヤ顔)

視聴を終えて

初めて緑石凝灰岩(グリーンタフ)を意識したのは、一閑寺(鶴来地区)の「磨崖仏像(まがいぶつぞう)」を見たときでした。説明では、石が柔らかいから(彫られた)…としか聞かされませんでしたが、不動明王像の背後の岩肌イコール自然の法面というのはやはり異様に映り、「グリーンタフ」という固有名詞が、脳にしかと刻み付けられた瞬間でもありました。なので「横町うらら館」の石段の話など、石たちが身近に感じられ、その起源を知れたことや関りを再認識したことが、今回の(私の)いちばんの学びであったと思います。

それにしても、直ぐ近くに日本でも有数の切石の産地があるなんて嬉しすぎます!来年、現地見学会ができるようであれば、ぜひとも「小松地区/石切り場見学ツアー」コースを盛り込んでくださることを期待して止みません♪

そして、地球の中身を知るところから始まったジオ動画も、日本海を制してついにここまで来ました!いよいよ、次回は最終回!我らが白山誕生の秘密を解き明かしてくれるのだと思うと、メチャメチャ心が躍ります♪期待しましょう🎵

◆ ロケ地周辺にあるジオポイント◆

★横町うらら館は、およそ180年前に建てられた町家です。江戸時代は加賀藩の年貢米を管理する「蔵宿」をしており、明治になってからは集配郵便局に、そして12代当主の時には町医者をしていました。現在は、町に寄贈され、無料休憩所として利用されています。館内は、誰でも気軽に見学できます。

名称横町うらら館
所在地白山市鶴来新町タ1
交通アクセス白山ICから国道157号線を南へ20分
北陸鉄道石川線鶴来駅から徒歩12分
駐車場
関連HP横町うらら館HP

コメント

タイトルとURLをコピーしました